2021.11.06
こんにちは便利屋エルエーです。
今年は秋が暖かかったせいかいまだに残ってる数少ない金木犀の花びらからほのかな優しい香りが、涼しい秋風に乗って漂ってきます。トップシーズンの金木犀も良いのですが、今の時期のこのほのかな香りに癒された今週でした。
さてさて、今回は『大人のフィルタリング』がテーマ。フィルタリングというと子供に有害なネットサイトをブロックするという意味合いで使われる用語です。大人は分別もあり、経験則も豊富で自己責任を全うできる存在なのでフィルタリングは必要なし、オールフリーって言うのが当たり前だし、それを制限をすることは誰にも出来ない事です。
しかしながら、尋常な領域を超えた情報依存性価値観を持った大人が増殖してます。盲信、拡大解釈、『まことしやかを真実』と受け取ってしまう大人。多様化、多様性を尊重する現在と逆行して近眼視に陥いる。そうした方々が一方的に悪ではなく情報のソート側も含めて一連の歪みを補正していく時代になるべきだと、私見ながら感じています。
じゃあその話と便利屋って関係あるの?って違和感を感じる方もいらっしゃると思います。…割とあります。年間を通して10回くらい出くわすシーン、これは先月のお話です。要らなくなって邪魔なソファや整理タンスなど数点を片付けたいというご依頼で伺ったところ、庭先に雨ざらしの状態でそのカビた具合や日光によるひび割れ、腐食具合からして最低5年以上経過した家具類です。
少しだけ嫌な予感と違和感を感じます。→これは職業病みたいな観察眼になりますが、そうした放置状態の不用品の事を『定位置』と呼びます。長年放置していても平気だったわけですから何か大きなきっかけが無ければ(例えば引越など)動く事のない、まさに不動の定位置なわけです。
とりあえず見積させていただきますねー。と返すと『良かった良かった!いくらになるのかなー!』というつぶやきが聴こえてきます。『またかー!』大体その辺りの雰囲気で全容が掴めます。このお客様は普通の人なら触る事すらためらうようなソファを買取してくれる。自分たちは2度と使わないどころか家の中にも入れたくないソファでも欲しがる人がいるんだ!…フラットな表情で、ココロの中で何度も溜息ついて…
私たち便利屋の新人さんは大抵こうしたシーンに2度3度出会うだけでメンタルをえぐられて辞めていきます。これまで三重県で500人を超えるスタッフの教育、研修をしてきましたが8割がたは1ヶ月でギブアップしていきます。ほぼ皆がメンタル不全です。以前のコラムで言い訳しないって言うエピソードに触れました。私はそんな不条理に直面しても『自分のせい』だと思うような回路になってしまっています。出来る事はそうしたお客様の感覚を変換していくために直向きに会話して行くだけです。
会話して行くうちに見えてくる背景として、TV番組でゴミ屋敷のお片付けコンテンツを観ていたら『自分がゴミだと思っていたモノに値段がついた!』という情報を盲信し拡大解釈した挙句です。
少しだけの冷静さと客観性があればそこそこの真贋の判断は出来るはずです。そこまでも情報やコンテンツに依存するようになったらヒトらしく無いですよね。今回の国勢選挙でも政治が分からない若年層向けの政党マッチングアプリが活躍してると観ましたがウンザリです。
長くなりましたが、かつては送り手側の仕事をしていた立場からすれば内容や悪影響を度外視してリーチと話題性と広告収入、利益が最大の正義。時代は変わっても、あと1000年経ってもそこは変わりません。私も最近は節酒を始めてます。大人のフィルタリングは自分自身じゃないと出来ない。
頭の柔らかい子供たちの意識変容よりも難しい課題が大人にはあります。